「ちいかわ(なんか小さくてかわいいやつ)」とは、自分ツッコミくまを生んだナガノさんによるキャラクター。かわいらしいキャラクターの描写に留まらない世界感が多くの読者の心をつかんでいます。
ねとらぼさんのちいかわ記事に触発されて、こちらもちいかわ紹介記事を書いてみた!どうしてこうなった!
ちいかわとは
キャラクター紹介
ちいかわ
「ちいかわ」とは、好きなことだけして暮らせたらいいのに、という人間の欲望を具現化させたキャラクター。
「ちいかわ」の世界で暮らす、メインのキャラクターはちいかわを除くと3人(匹?)存在する。1匹ずつ紹介していこう。
ハチワレ
まずはハチワレ。
メインキャラクターの中では、唯一言葉を話すことが出来る。貧しいが、富める者を憎まず、常に前向きな考え方をする。
うさぎ
うさぎ。
いつもテンションMAX。端から見ると楽しいヤツだが、関わりたいかと問われるとそうでもない。後から登場したハチワレに出番をとって喰われている。
栗まんじゅう
栗まんじゅう。
ゆるキャラの漫画にふさわしくない飲んだくれのキャラクター。自分が手に入れた缶コーヒーをちいかわに分け与えるなど、おおらかな心を持つ。
このように飲んだくれの栗まんじゅうは怪しいにしろ、彼らはあくまでゆるキャラ世界の範疇のキャラクター。
しかし、ちいかわの世界には、奇想天外、他の生物に害を及ぼす悪辣なキャラクターも登場するのだ。まったくゆるキャラの世界に似つかわしくないほどに。
ちいかわたちは、不条理にも敵キャラクターに酷い目に遭わされることも多い。
しかし、この不条理さこそが、ナガノワールドをナガノワールドたらしめる重要な要素なのだ。
ちいかわに見る少年漫画理論
少年漫画におけるカタルシス
ちいかわの世界に存在する不条理さは、実は少年漫画の中にも存在している。
いまや国民的マンガとなったワンピースの1ストーリー(アーロン編)を例に挙げて説明しよう。
ご存じのない方に『アーロン編』を端的に表現すると、敵キャラクター(アーロン)に苦しめられるヒロイン(ナミ)や村の人々を、ヒーロー(ルフィ)が救済するという、少年漫画の王道の流れだ。
【起】アーロン(敵キャラクター)による圧政
【承】圧政に苦しめられるナミ(ヒロイン)
【転】ヒロインを救うべく現れるルフィ(ヒーロー、主人公)
【結】アーロンを撃破、訪れる平和
ご覧頂いたとおり、ヒロインが理由もなく苦しめられる状況・・・すなわち不条理さが物語の中に存在するのだ。少年漫画には必ずと言っていいほど不条理さは存在するといっても過言ではない。
アーロン編の一連の流れを、グラフで表してみよう。
横軸を時間軸、縦軸を読者のテンションとする。
まずは読者にとってはテンションの下がる展開が続く。その後、主人公がボスを倒すことで読者は爽快感を得られる。
すなわち、読者のテンションの振れ幅は下記の矢印で表現できる。
おわかり頂けただろうか。
読者は不条理さを前もって体験しておくことで、物語のラスト(主人公が敵を倒すこと)でより強い爽快感を得ることができる。ラストに至るまでに苦しい期間(この例ではアーロンの圧政期間)があるほど、ラストの爽快感は大きくなるといえよう。
ちなみに、このラストにおける爽快感、抑圧された感情の解放(浄化)をカタルシスという。
カタルシス
舞台の上の出来事(特に悲劇)を見ることによってひきおこされる情緒の経験が、日ごろ心の中に鬱積(うっせき)している同種の情緒を解放し、それにより快感を得ること。
※Oxford Languages and Googleより
ルフィ(ヒーロー)が登場し、登場するや否やアーロン(敵)を倒すだけでは、読者はカタルシスを得られないのだ。
ルフィの活躍は、ナミが圧政に苦しむという不条理な段階があってこそ輝くのだ。
ちいかわ漫画における少年漫画理論
これをちいかわの漫画にあてはめてみよう。
【起】平和に暮らすちいかわ
【承】正体不明の敵に苦しめられる
【転】知恵と勇気を発揮するちいかわやハチワレ
【結】敵を撃退、ハッピーエンド
先ほど同様、横軸を時間、縦軸を読者のテンションとして、グラフをつくってみよう。
なんと、ワンピース(少年漫画)同様のグラフで表現できるではないか!
ちいかわやハチワレが謎のモンスターによって苦しめられるという段階があってこそ、物語のラストでのちいかわやハチワレの活躍・成長を読者はより嬉しく感じるのだ。
このように、ちいかわやハチワレは苦しめられてこそナガノワールド(ちいかわ)の物語は面白くなるのだ。
さあ、ちいかわを虐待する新たなキャラクターの登場にともに期待しようではないか。
その先にはちいかわやハチワレの輝かしい成長と笑顔が約束されているのだから。
おしまい
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